クライン 孝子
** お知らせ **


1999年年12月15日
皆様、ご機嫌いかがですか。
 あらあらと思うまもなく、早くも1年がすぎてしまおうとしています。
今年はとくに千年に一度しかやってこない二千年という年を迎えるというだけに、 キリスト教圏のここドイツでは、その大世紀を前にさまざまな歴史的事業が行われました。 例えば今年1月1日から導入された「ユーロ」は、その拠点がフランクフルトに置かれただけに、 すでに30年この地に住みついてきた私にとっては感慨深いものがありました。
 そのユーロ金融の動向を探るために、毎月1度開催される欧州中央銀行の記者会見には特別な 予定がない限り、出席しています。欧州中央銀行初代総裁はドイゼンベルグというオランダ人 ですが、その凄みのある風貌を見ておりますと、この人だからこそ初代の「ユーロ」 番人に選出されたのだなという感じがするから不思議です。
 そういえば、つい最近は、このドイゼンベルグ総裁の下で「ユーロ」テクノラート 辣腕では世界的に定評のあるオットマー・イッシング教授 昼食の時ちょうど 斜め向かいのテーブルに氏がつかれ、氏のお話をじかに聞くとして活躍し、そのともジャーナリストの集まる会でお会いしました。しかも全く偶然だったのですが、ことができたのです。きさくで飾らず 、それでいてユーモアたっぷりお話されるものですから、実力のある人物とはこういう人 のことを言うのだなあと、感心してしまいました。
 そうそう、例の拙著「甘やかされすぎるこどもたち」ですが、お陰さまで大変好評だとのことです。先日は編集者から次のような 12月12日付産経新聞「談話室」掲載の岡之上邦博さんという方の切りぬきが送られてきました.私にとってとても 嬉しいお便りなので、ご紹介致します。

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「ブッチホン」は私にも来た!
『甘やかされすぎるこどもたち―日本人とドイツ人の生き方』クライン孝子著に感銘を受けた私は、日本の教育方針の立場に生かしてもらいたいと思って、 十二月初めに「教育の小渕」を自負しておられる小渕首相に寄贈した。
その後、十二月八日付本紙朝刊の小渕日誌で「この前、 教育の問題で胎教から始まると言ったが、訂正する。子供の教育は生まれる二十年前に父母の教育から始めるべきである。ナポレオン一世 の言葉だ」と記者団に語ったのを目にした。
「総理は読んでくれた」と私は直感した。果たせるかな、同日の夕食中に電話が鳴り、家内が受話器を取ると「東京からです。 小渕です」の声。ブッチホンはわが家にも飛び込んできた。代わった私に「昼間、お出かけでした.とにかくお礼申し上げたく、 お食事中ご迷惑と思いましたが…・」と。再度の電話に恐縮したが、国民の声をよく聞き、正しい日本のかじ取りを望んでやまない。

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その教育といえば、
「voice」新年号で 曽野綾子氏と「大国にふさわしい教育を」というタイトルで 対談、また「正論」2月号では連載「クライン孝子のドイツから観る」で「教育を原点に」 を書きました。ご一読頂ければ幸甚にぞんじます。
それでは良いお年をお迎え下さいますよう。その私ですが、今日 12月15日、とうとう還暦を迎えることになりました。 年を取るってやだなあ!!!
ではまたまた
クライン孝子

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